心肺蘇生法の方法・やり方・手順や使い方・流れなどについて
心肺蘇生法の方法概要
心肺蘇生法で救うことができるのはなにも心臓停止の場合だけではありません。なぜなら、この手順の中には心臓以外の場所にも働きかける方法が含まれているのです。それが肺です。心臓と肺の2つに働きかけるので心肺蘇生というのであり、この2つが流れるように絶え間なく行われる必要があるのです。これを行うことで、急な心臓停止や呼吸困難、さらには意識不明の人を、可能性的には、倒れたその場で意識を正常に戻すことができるかもしれませんし、そうでなくとも救急車を呼び、救急隊の方々が現場に到着する時まで命を保持できるのです。
心肺蘇生法の手順・方法01
ただ、心肺蘇生をするにあたっても確実に救急車は呼ばなければなりませんし、意識を取り戻したとしても救急隊に引き渡すという流れは一緒です。ならばなぜそんな面倒な手順を踏むことを推奨しているのかというと、それは心肺の蘇生率、ひいては傷病者の意識が戻るかどうかというのが、意識を失うすなわち心肺機能が停止してから何分以内に心肺蘇生法を施されたかによって決まってしまうということにあるのです。意識を失って2分以内に心肺蘇生を行えると90%の確率で蘇生が可能であるとされています。呼吸が止まって1分後には脳機能の停止が見え始めるからです。
心肺蘇生法の手順・方法02
もし一般市民が2分以内にできなくとも、2分以内に措置を施せる人がいなくとも、救急隊が来れば大丈夫と思われがちですが、いくら救急隊でも2分以内に到着することは無理な話で、現場に救急車が到着するのに要する全国平均は約8分です。蘇生率は5分後の時点ですでに25%にまで下がっているために、8分の時点で救急隊が到着し、すぐに蘇生を試みたとしても、蘇生する見込みはほぼ0に近いと考えて申し分ないでしょう。そのために一般市民が傷病者を発見した段階で心肺蘇生が行えるべきである、と消防庁は講習会などを開いているのです。
心肺蘇生法の手順・方法03
ここまで心肺蘇生法の意義について書いてきましたが、ここから流れや手順をおおまかに説明します。まず、意識を失っていそうな、倒れている人を発見した時は、第一にその場の安全を確認します。車通りの多いところで蘇生などを行えば、倒れている人だけではなく自分にも危険が及びます。そうして安全を確保したら、一番はじめに呼吸の確認をします。方法は、10秒間胸の動きに注意し、動いていなければ呼吸なしと判断します。よくわからなければ、呼吸なしと断定しても構いません。不安であれば、耳元で大きく声掛けをし、反応がなければ確実に意識なし、呼吸なしと判断してください。ですが意識の確認は絶対に必要なことではないのです。
心肺蘇生法の手順・方法04
その後、心臓マッサージに入ります。が、その前に周りの人に助けを求めます。人工呼吸や心臓マッサージが出来る人に手伝ってもらったりする必要があります。8分近くも1人でこれらをこなすのは体力的に辛いところもあるためです。また、119番通報をしてもらう必要もあります。自分には通報をしている暇がないためです。また、心臓停止に対する特効薬となるAEDを手配してもらえるようにお願いすることもまた必要なことなのです。この時、上手くお願いするやり方があります。「誰か、助けてくれませんか」と言っても日本人は自分のことではないと無視してしまうので、お願いしたい人の服装などで指名すると来て下さいます。
心肺蘇生法の手順・方法05
助けてくださる人は多いほうがいいです。その中には非番で街を歩いている医療関係者もいるかもしれません。では、まず気道の確保をします。人は意識を失うと舌が喉の方に垂れるかたちになり気道が塞がれてしまうので、顎と頭頂部をささえ、すこし顎を上げるようにすると舌の位置が戻り、気道が確保されるのです。この後に心臓マッサージをします。やり方は、乳首と乳首の中間ぐらいに、肘を伸ばして手を組んでのせ、1分間に100回の早さで(5秒で8回以上)肋骨が折れてしまうのではというくらいの力で押します。弱く押して意味が無いよりましなのです。疲れてきたら、助けの方と交代してもらいます。ここで多くの助けの人が必要なのです。
心肺蘇生法の考察
30回ほど心臓マッサージを行った後に、続けて人工呼吸を行います。やり方は、傷病者の鼻を摘んで、口から空気を送り込みます。目安は胸がすこし膨らむ程度に、1秒ほどかけてゆっくりとおこなうのが正しいやり方です。これを2回行います。空気を送り込むのが終わったら即座に心臓マッサージを再開してください。この時に、たくさん空気を送り込もうとして強く吹き込んだり、回数を多く行おうとは思わないでください。人工呼吸は直接キスをすることになりますので、唾液を通じて細菌に感染する可能性もあるので専用のマスクを使うか、人工呼吸をしなくても良いとさえされています。必要なのは心臓マッサージなのです。
心肺蘇生法のまとめ01(使い方や注意点など)
心肺蘇生の最中にAEDが届いたら、それを使います。使い方はAEDを見ればイラストで図解してありますが、使い方を知っている人がいればその人が行うのがベストでしょう。AEDのケースを開け、まずは電源を入れます。すると音声でパッドを貼るよう指示されるので、心臓を挟むように体に貼り付けます。その時に体毛を避けて貼れなければ付属品で剃ったり、体が濡れていればタオルなどで拭いてください。張り終えると自動で心電図を解析し始めるのでここで心臓マッサージを中断してください。電気ショックの必要有りと音声があれば、傷病者に触れないように注意し、ボタンを押してショックを実行し、心臓マッサージを再開してください。
心肺蘇生法のまとめ02(使い方や注意点など)
AEDを使うことで意識が戻る、心臓マッサージの最中に意識が戻る、または救急隊が到着し心肺蘇生の引き継ぎを行えるまで心臓マッサージは続けることが必要です。AEDは一定間隔で心電図の解析を行うので、随時電気ショックを与えてください。もし意識が戻ったり、心臓マッサージを痛がるような素振り、うめき声などが聞こえたのであれば、回復姿勢という楽な姿勢と取らせ、安静にし救急隊を待ちます。しかし、そういった意思表示がなければ、電気ショックの必要なしと指示が出ても心臓マッサージが必要ないわけではないと捉え、続けてください。
心肺蘇生法のまとめ03(使い方や注意点など)
救急隊が到着したら、まずは救急隊の人に心肺蘇生および傷病者の引き継ぎを行ってください。その後に、救急隊の人に傷病者を発見した時の状況、呼吸の状況や、人工呼吸の回数、AEDによる電気ショックの回数、または意識回復の意思表示が見られたかどうかなどを細かく聞かれると思いますので、説明できるように把握しておいてください。ここでの説明が病院へ搬送されたあとの処置に影響しますので、的確に説明できればそれだけ更に救命率が上がるのです。そのために、傷病者を発見した時から、心肺蘇生を行っている間、引き継ぎを行うまで、決して焦らず、冷静に行動するよう心がけてください。それが、傷病者を救うこととなるのです。
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