相関係数計算の方法・やり方・手順や使い方

相関係数計算の方法概要
相関係数は、体重と身長など、2つの形質を表す値の関係の強さを示す指標です。相関係数によって、それぞれの形質の関係や傾向を推定することができます。例えば、A商品を購入する人は、Bの商品も購入することが多いというような傾向を見つけるために相関係数を利用します。相関係数は、-1.0~1.0の範囲の値を取り、使い方は、絶対値が1に近いほど関連性が強く、0に近いほど関連性が弱いことと判断します。もっとも単純な直線的な関係の場合、相関係数が正の場合は、2つの形質の関係は同じ方向ですが、相関係数が負の場合は相関では、関係が反対になります。そこで、相関係数の求め方を、出来るだけ分かりやすくまとめてみました。
相関係数計算の手順・方法01
相関係数の分析は、統計学を使ったデータ分析で、まず初に行うのが、相関の分析です。そこで、相関係数計算をおこなう手順について、A商品とB商品の販売個数の関係について計算する場合について説明します。まず最初に、相関係数計算をする計算式を見てみましょう。相関係数 = 共分散 ÷( 商品A販売個数の標準偏差 × 商品B販売個数の標準偏差 )と表すことができます。「共分散」や「標準偏差」など、専門的な統計用語が出てきますが、これらの計算方法については、後ほど説明しますが、相関係数の計算式自体は非常にシンプルです。普通の計算機があれば簡単に求められます。
相関係数計算の手順・方法02
それでは、まず商品A販売個数の「標準偏差」を求めます。標準偏差を計算するためには、「平均」と「偏差」、そしてそれらを利用して計算する分散というものが必要となります。最初に、販売個数データの平均を計算します。商品A の販売個数の合計を、販売先の数で割る方法で平均を計算します。次に、販売先ごとの「偏差」を求めます。偏差とは、平均からどれだけ偏っているかということを表すもので、各販売先の販売個数から平均を引いて計算します。商品販売個数データは、販売先によっては平均より多いところと少ないところがあるので、偏差もプラスになったりマイナスになったりします。
相関係数計算の手順・方法03
次に分散を計算します。「分散」はその名の通り、データの全体のばらつきの大きさを表すものです。偏差もばらつきですが、個々のデータのばらつきであり、データ全体のバラつきを表す分散とはちょっと違います。偏差を合計すると全体のばらつきの大きさを表すことになりそうですが、バラつきは平均より大きいものと小さいものがあり、実は、偏差は合計すると必ず 0 になってしまいます。そのため、偏差を二乗し、マイナスを無くした状態で全て合計して、販売先の数で割ったものを「分散」としています。これで、標準偏差を計算する準備ができました。
相関係数計算の手順・方法04
標準偏差の計算では、まず、分散の平方根を計算します。分散は偏差を二乗して合計しているので、実際のばらつきより値が大きくなっているので、解釈が難しくなります。そこで、分散の平方根を求めて、元の値に戻します。これが標準偏差と言われるものです。標準偏差は、データのバラつき具合を判断する指標として一般的にも良く使われています。平均値と並べて記載して使います。平均値が同じデータでも、標準偏差が違うと性格が大きく異なります。理論上は、平均値±標準偏差の範囲に全データの68.27%が、平均値±標準偏差の2倍の範囲内に95.45%が分布することになります。
相関係数計算の手順・方法05
続いて、商品A 販売個数と 商品B販売個数 の「共分散」を求めます。 「共分散」は、販売先ごとに 商品A販売個数 と 商品B販売個数の偏差を掛け合わせたものを計算して、それらを合計して販売先の件数でわります。要するに販売店ごとの販売個数の偏差の平均を計算することになります。計算自体は難しくないので、電卓で計算することできますが、販売先が増えると計算は重労働で、計算間違いも起こす可能性も高くなります。表計算ソフトを使うと計算は簡単にかつ確実に出来ます。 これらを、相関係数 = 共分散 ÷( 商品A販売個数の標準偏差 × 商品B販売個数の標準偏差 )に代入すると相関係数が計算できます。
相関係数計算の考察
相関係数は、現在ソフトで簡単に計算できますが、相関係数計算をしたあとで注意しなければならないことがあります。相関係数は低く計算されたのに実際は相関関係がある場合、逆に相関係数は高く計算されたのに実際は相関関係がない場合という落とし穴が実際にあるので注意が必要です。 この間違いを回避するための方法として、相関係数のみで関係を判断しないで、散布図を描いて目で確認することが大事です。散布図を描くのは、本来は相関係数を計算する前に行うべきです。散布図は、表計算ソフトのグラフ作成に必ずありますので、簡単に作成できます。まず、目で関係を確認するのが大事です。
相関係数計算のまとめ01(使い方や注意点など)
相関係数を正確に計算するためには、なるべく多くのデータを使う事が必要です。データが少ない時に計算した結果とデータを追加した時の結果が同じ場合は正しく関係を推定できたと考えて良いのですが、もし計算に利用したデータが偏っていた場合は、データ数を追加して計算し直すと違う結果になる場合があります。 データ数は可能な限り確保して計算すること、もし、すくな目のデータで計算した場合は、後日データを追加して再度計算して確認してみることが非常に重要です。 相関関係が曲線的な関係がある場合や、直線だけど、ある時点で方向や傾きが変わってしまう場合などは相関係数は低く計算されてしまうので注意が必要です。
相関係数計算のまとめ02(使い方や注意点など)
相関係数の計算について、実は多くのソフトも開発されています。特に理論的なことを知らなくても、データを入力さえすれば、相関係数を計算してくれます。これは、非常に便利で有用なことではありますが、理論や計算方法を全く知らなくても計算が出来るという点で大きな危険性も含んでおり使い方に注意が必要です。データは、いろいろな要因の影響を受けています。A商品とB商品の販売個数も、季節や時間、地域などの影響を受けた結果のデータです。これらの影響をなるべく考慮に入れて計算することが一番大切な事です。データを取集する時に、これら影響を及ぼす要因についても一緒に収集し計算に活用しましょう。
相関係数計算のまとめ03(使い方や注意点など)
相関係数計算方法は今は簡単で表計算ソフトの関数で簡単に計算をすることができます。 あらゆるものも数字を並べて表を作成して表計算ソフトを使えば形としては計算は可能なのですが、注意をしなくてはいけないのは、相関があるかどうかを判断するにはこの計算の結果だけを見てもいけないということです。 つまり、相関があるというのは単にこうした計算だけではなく、原因としての何かがあって、結果として何かの現象を引き起こしているという原因と結果との関係性があるかということは計算以外にも確かめる必要があるのです。 計算結果は相関があるが理由が全く分からないではたまたま相関があるだけということになるからです。
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相関係数は今の時代は表計算ソフトで簡単に求めることができます。
最初に相関係数を得たいデータを表計算ソフトに打ち込むなどして表を作成します。
これをもとに表計算ソフトのツールの中の分析ツールを選び、内容は相関というものを選び、入力した表を範囲設定をするだけで簡単に求めることができるのです。
ただし注意をする必要があるのはこうした相関係数計算をするだけではなく、表計算ソフトで相関を図るデータのグラフを作成しておくことをおすすめします。
相関係数の数字だけではなく、全体の傾向を見ておかないと実際に正しい数字を求めているのかということ自体が怪しくなるからです。グラフを見ればそれは判断できるのです。