社員解雇の方法・やり方・手順や使い方

社員解雇の方法・やり方・手順や使い方

過去の判例において、能力不足の社員解雇については、直ちに解雇することについては消極的な姿勢であり、まずは解雇回避のために注意、指導、教育訓練等、労働者の能力向上を図る措置をとったか、また労働者の能力に合う部署への配置転換を検討したか、といった点を重視しています。よって過去の判例を踏まえ、まずは能力不足の点については注意、指導を行い、それらを記録に残し、場合によっては労働者に文書を見せて、同意の署名等をしてもらうようにします。その上で改善の見込みがなく、配置転換も検討できないと判断した時点において、当該社員に解雇を通告する流れになります。

社員解雇の方法概要

従業員を雇用していると、何かの事情により解雇をしなければならない事情が生じてくることがあり、また解雇の手順を誤ることで元従業員とトラブルに発展することもあります。まず、解雇自体は法律違反か、という問題ですが、労働基準法において、解雇の使い方について定められているのは、解雇の際の手続き、即ち労働基準法第20条で定められた解雇予告(少なくとも30日前に予告をするか、30日分以上の平均賃金を支払わなければならない)及び第19条で定められた解雇制限期間(業務上負傷し、療養の為休業する期間及びその後30日間、産前産後休業期間及びその後30日間)のみであり、解雇はしてはいけない、とは書かれておりません

社員解雇の手順・方法01

前述のとおり、法律上、解雇してはいけないとはなっておらず、会社には従業員を解雇する権限、すなわち解雇権が認められております。しかし、会社は解雇権を無制限に行使できるわけではなく、解雇そのものの有効性について民事訴訟、労働審判等の訴えをおこされるケースがあります。労働契約法第16条においては解雇について客観的にみて合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められない場合には解雇権を濫用したものとして無効とする旨定められています。つまり、解雇権の濫用にあたると裁判所で判断された場合、社員に下した解雇は無効となるということです。

社員解雇の手順・方法02

社員解雇の際、客観的合理性が認められる為には、少なくとも就業規則、社内規定で解雇事由及び手順が定められていることが必要です。即ち「このようなことがあった場合は解雇となる」というルールを明確にし、それを社員に周知させなければならないということです。また、社員解雇について社会通念上の相当性が認められる為には、従業員が行った行動が解雇事由にぴったりあてはまっていること、そしてその就業規則で定められた解雇事由そのものが世間一般的にみて、解雇となってもおかしくないと思えるようなものでなければなりません。就業規則に解雇事由が定められていても、使い方を誤ると後々不利に働くことがあるので注意が必要です。

社員解雇の手順・方法03

社員解雇には、社員の能力不足等と理由としてなされる普通解雇と、社員の内秩序を乱すような行いに対し、その制裁として行われる懲戒解雇とがあります。普通解雇において一般的に多いのは能力不足による場合です。仮に能力不足と見受けられる場合であっても、直ちに解雇することは後々労働紛争に発展したときのことを考えると、慎重に行わなければなりません。まずは能力不足の社員に対して、注意、指導を積極的に行い、能力の改善を試みます。注意、指導したことについては記録を残し、場合によっては社員に指導書の形で交付し、本人に受領印をもらいます。その後、配置転換も検討し、それでも居場所がないと判断されてから解雇を行います。

社員解雇の手順・方法04

社員の懲戒解雇は、普通解雇と比較して後々本人に与える影響が非常に大きいことから、裁判で無効と判断される可能性も高いため、非常に厳格に行使する必要があります。まず、社員の行った非違行為について、まずは手続きとして本人に弁明の機会を与えることが必要です。そして、最初から懲戒解雇をするのではなく、他の懲戒処分(戒告、譴責、出勤停止など)の処分を行い、段階を踏んで、それでもその社員の問題行動に改善は見られないような場合になって初めて懲戒解雇を検討します。その際、就業規則で定められた懲戒解雇事由にぴったりあてはまるものがあるかどうかを確認しておく必要があります。

社員解雇の手順・方法05

上記の普通解雇、懲戒解雇の他に、会社側の経営上の理由によるリストラ、いわゆる整理解雇というものもありますが、解雇の大部分は社員の事情によるものであり、前述のとおり、慎重に解雇権を行使しなければなりません。解雇をするということは、いくら社内的に理由のあることでも労働トラブルのリスクを抱えることになるので、解雇する前に、まずは本人を説得し、退職願を出してもらう、いわゆる退職勧奨を行うことを考えた方がよいでしょう。ただし、退職勧奨も程度がひどい場合には民事上の不法行為として損害賠償を請求されるケースにもなりかねないので、退職勧奨自体も注意が必要です。

社員解雇の考察

 何かとトラブルを起こしている問題社員や、明らかに能力不足の社員を雇い続けていたとしても、会社側にとっては何のメリットもありません。しかし、現行の労働法制下では、労働者の権利が強固に保護されています。そのため、いくら役に立たない社員でも、簡単に解雇するようなことはできません。安易に社員解雇を行った結果、クビになった社員から不当解雇で訴えられ、会社側が窮地に追い詰められてしまうケースが実際によくあります。 解雇権の乱用にあたらない社員解雇を行いたい場合は、解雇せざるをえない客観的合理性と社会通念上の相当性という2つの要件を満たしている必要があります。

社員解雇のまとめ01(使い方や注意点など)

 遅刻や無断欠勤が多い、協調性に欠け職場の同僚と頻繁にトラブルを起こすといったような社員がいる場合、会社側が一方的に解雇を通告しても責められるいわれはないと考える人が多いです。しかし、これらの理由だけで社員解雇を行った場合、解雇するだけの合理性があるとは認められない可能性が高いです。労働契約法では客観的合理性の存在が求められていますので、誰が見ても明らかに解雇要件に該当することがわかる状態にしておく必要があります。一番確実なのは、就業規則で、解雇理由等を明確に定めておくという方法です。そうしておけば、万が一裁判になったとしても、客観的合理性の存在を簡単に立証することができます。

社員解雇のまとめ02(使い方や注意点など)

 たとえ就業規則で定めている解雇理由に該当する行為があったとしても、たった1度その行為をしただけで即クビにしたりすれば、不当解雇とみなされる可能性が高いです。なぜかというと、そのような形での解雇は、社会通念上の相当性要件を満たしていないと考えられるためです。人間であれば、誰しも間違うことがあります。遅刻や欠勤が多い社員がいる場合、経営者はそれを改善するように注意・指導しなくてはなりません。また、能力不足の社員については、その社員でもこなせる業務に配置転換してやるなどの配慮が必要になります。そのような努力をしても状況が一向に改善されない段階に至って、初めて社会的相当性がある解雇だと認められます。

社員解雇のまとめ03(使い方や注意点など)

解雇自体してはいけないという法律はありませんが、労働契約法第16条より、解雇は客観的に合理性があり、社会通念上相当であると判断されるような場合でなければ解雇権の濫用として無効となります。このことからも安易に解雇は出来ず、慎重な判断が求められます。能力不足、勤務態度不良の社員解雇の方法としては、まずは本人の悪い点、改善を求める点について具体的な注意、指導を行います。改善警告書等、文書で交付して本人に受領印を求めるのも手段の一つです。また、注意、指導を行った際はそれを時系列に記録していきます。これらを積み重ねても改善がみられず、配置転換も難しいと判断した時点で解雇通告に踏み切ります。

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