安全帯の使用方法・やり方・手順や使い方
安全帯使用の方法概要
安全帯とは、高い場所で作業を行う場合に墜落・転落災害を防止するために用いられるもので、労働者自身の身を守る上で非常に効果が高いものです。日本における労働災害による死亡件数は、交通事故によるもの(約24%)を除くと墜落・転落によるものが圧倒的に多く約26%を占めています。このことは、高所からの墜落・転落災害は死亡事故に直結する可能性が非常に高いことを示し、墜落・転落災害を防止する必要を示す重要なデータです。安全帯とは、作業する個人がしっかりと着用し、使用することで墜落・転落による労働災害を防止することができる、個人用の保護具です。
安全帯使用の手順・方法01
安全帯には、主に胴ベルト型安全帯とハーネス型安全帯があります。一般的な建設工事においては、胴ベルト型安全帯が主流となっていますが、これは腰の部分にバックルで緩むことがないようにしっかりと締める事ができる胴ベルトとなっていて、このベルトにしっかりと固定したD環に長さ1m程度の命綱を設置しています。この命綱の先端にはしっかりと命綱に固定されたフック型の金具を備えた物を言います。フックは外れないように外れ止めの構造となっています。ハーネス型安全帯は、スカイダイビングに用いられるような形状で、体全体をベルトで固定している形状となっていて、墜落阻止時の体へのダメージ分散を目的としたものです。
安全帯使用の手順・方法02
安全帯の使用については、労働安全衛生法第21条2項に『事業者は、労働者が墜落の恐れがある場所などで作業を行わせる場合には、危険を防止するために必要な安全処置を講じる必要がある』と記されており、また安全衛生規則第518条において『安全帯を使用する』ことを詳細に定めています。安全帯の構造や規格については、安全衛生法に基づいた平成14年2月25日の厚生労働省告示第38号の『安全帯規格』により定められています。この告示により、安全帯の構造のほかに各部分の接続方法や、各部分の強度や耐衝撃性についても定められています。
安全帯使用の手順・方法03
安全帯は墜落・転落災害を防止する上で重要な保護具ですが、装着方法や使用方法を間違えると負傷してしまうことがあります。安全帯の正しい装着手順として、安全帯のベルト装着位置は、腰骨の位置にしっかりと締め、ベルトと体の隙間は指1本程度にしておく必要があります。腰骨より上部や下部に安全帯を締めたり、締め方が甘い場合、肋骨を損傷する危険性があるとともに、ベルトがずれて体から抜けてしまう恐れがあります。また、安全帯が1本吊りの場合には、D環の位置が体の正面にあると、落下を阻止してもさば折の状態となり背骨に損傷を与える危険性があるので注意する必要があります。
安全帯使用の手順・方法04
安全帯使用においては、安全帯をしっかりと正しく装着するだけでなく、正しい使い方を知っておく必要があります。安全帯は装着するだけではなく、フックを正しくしっかりと使用して初めて効果を発揮します。フックは必ずD環よりも高い位置にかける必要があります。できれば1m近い高さを確保することができれば、墜落高さを抑えることができるので体に与えるダメージが極めて小さいものとなります。フックの位置がD環よりも低い位置にあるとそれだけ落下エネルギーが生じることになるので、体へのダメージは大きいものとなります。D環よりも1m下に設置した場合には、安全帯の強度を超える衝撃が発生する恐れがあるとの実験結果があります。
安全帯使用の手順・方法05
安全帯使用の正しい使い方として、フックを掛けたい場所から大きく離れないことがあります。大きく離れた場合、振り子のように大きく左右にふれてしまい構造部にぶつかってしまう恐れがあるからです。また、フックは曲げ荷重が作用しないように掛けることが必要です。これはフックは引張り強度で想定されているので、曲げ荷重が発生すると所定強度が発揮できない恐れがあるからです。近年では、フックを二つ装備した安全帯の使用が推奨されています。これは、フックを架け替えする場合でも、もう一つのフックが掛かっているので、常に安全帯が有効な状態を確保することができるからです。
安全帯使用の考察
建築作業などの高所で行う作業には安全帯の着用が法律で取り決められています。これはさ作業者の命と安全を確保するためです。高所で作業する人の死亡事故が後を絶ちません。これは最後の命綱である安全帯を着用して作業をしていなかったことが最大の原因に挙げられています。人間の命を最後に守ってくれる安全帯は高所作業にはなくてはならない、作業道具の一つになっています。そもそも安全帯を装着していなければ高所での作業などはしてはいけないのです。安全帯をしっかり腰に装着し、しっかり安全を確保して作業にのぞみたいものです。
安全帯使用のまとめ01(使い方や注意点など)
高所作業での安全帯使用は法律で義務ずけられています。そのため公共工事などでは安全帯を使用していないものについては、その作業現場に立ち入りを禁止している作業場もあるぐらいです。どれほど安全帯が大切なものかを物語っています。高所では足場の安全を確保して安全帯のフックをしっかりと鋼管や足場などに引っ掛けて作業をすることになります。万一転落をしてしまってもこの安全帯のフックが引っかかっていることで転落をするということが防げます。このフックをかける場所も十分に見極めて転落してもびくともしないところにかけるのが大切なことです。
安全帯使用のまとめ02(使い方や注意点など)
この安全帯も使用回数が多くなるとだんだんとその安全性が損なわれてきます。また1回転落して相当の重力がかかった安全帯は使用を中止して新しいものに変えることが賢明な使用方法です。交換することで命が救われることになるのですから大きな圧力がかかった場合は、即交換するようにしてください。高所での作業はなれるまでに相当な時間を要します。そもそも高いところが苦手な人もたくさんいることでしょう。もう慣れたから大丈夫などと軽い気持ちで作業に臨んではいけません。ベテランもベテランでない人もしっかりと命を守るために安全帯を使用してください。
安全帯使用のまとめ03(使い方や注意点など)
安全帯とは、建築現場などでの高所作業時に使用する、保護具の一つでベルトにロープが取り付けられており、その先がフックとなっています。高所より、誤ってバランスを崩して転落するのを防ぐ役割をしています。安全帯使用方法ですが、まずしっかりとベルトを締める必要があります。そうしないといざ体重がかかった時、ベルトが緩すぎて滑り、自らの体重で肋骨を骨折したという事例もあります。次に必ず自分の腰よりも上にフックを引っ掛けるようにしましょう。フックの位置が低ければいざ落ちた時、衝撃が大きくなり前途と同様に危険だからです。保護具は、正しく使いましょう。
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安全帯は、高所作業をするときに使用する命綱の事で、墜落や転落を防ぐための道具です。電気工事や建設現場などで作業者が腰に巻きつけて作業をしています。
安全帯使用については、労働安全衛生法という法律に定められていて、同法規則には使用時の具体的な事項が記されています。
正しい使い方をしなければ危険を伴います。ベルトをしっかりと腰骨の位置に取り付けます。ロープがベルトと繋がっている部分を「D環」といい、このD環は前にならないようにします。
また、フックはより高い位置に付けて、フックに曲げ方向の荷重がかからないようにしなければなりません。落下時の衝撃荷重や振り子状態になることも理解が必要です。